2023年11月30日

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 災害?キャンプ? 何に(どこで)使うか


前回は「何を」使うかでしたが、今回は「何に」使うかです。

太陽光発電の売電価格が下がり、折角設備投資しても回収するのが難しくなってしまいました。
太陽光の利用は経費節減も大きな動機付けの一つですが、それがままならないとなると、蓄電して使うという方に目が行きます。

ポータブル電源は高出力・大容量化が進み、専用バッテリーを連結し増設できるモデルも増えています。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 災害?キャンプ? 何に(どこで)使うか

EENOUR社のフラッグシップモデル、F2000もその一つで、2048Whの増設用バッテリーを最大7個まで増設し、16384Whまで増やすことができます。

完全なオフ・グリッドは無理だとしても、グリッドパワー切替器を上手に利用して、深夜電力やソーラー発電でポータブル電源へチャージした電力を、商用電力と切り替えながら有効活用すれば、日々の生活に取り込みながら万が一の災害に備えるという点で、電力の節約以上にメリットがあることでしょう。

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今では生活や仕事に欠かせなくなったパソコンなどの電子機器ですが、これらの停電に備えたバックアップ電源としても有効です。

雷が鳴ったと思ったら瞬間停電が発生し、一日の作業がパー!になってしまった。どうしてあそこでバックアップを取っておかなかったんだろう!?なんてことも無くなります。
こういう運用も、万が一の時には冷蔵庫へ繋ぎ変えて食材をキープしたり、スマホの充電や生活に必要な最小限の家電を動かすエネルギーとして活躍してくれます。
本体だけでしたら、キャンプや車中泊へ持ち出すのも少し頑張れば出来てしまいます。

主に災害対策として考えるならば、出力が大きく増設できるモデルを選択することになり、そこへのチャージはやや規模が大きいソーラーパネルか、商用電力やその深夜電力を有効活用してということになるでしょう。

近年起きた大規模な災害を見ると、家屋というものが必ずしも安全な場所とはいえず、そこへの大規模な投資が有効ではないケースも多々あります。

家屋の倒壊や津波により、家を離れなければならない様子は再三目にしてきました。

熊本の震災の時には、余震を心配する方たちが家へ戻れず、緑地帯でテントも張らずゴロリと寝ている姿を目にして衝撃を受けました。
冒険家の野口健氏が、コールマンジャパンの全面協力のもと、テントやシュラフを発注してテント村を開設したということは、アウトドアに興味が無い方の耳にはあまり届かなかった感もありますが、車の中で過ごしたことによるエコノミークラス症候群になってしまったという話しは、報道などで記憶に残っている方も多いと思います。

それを考えると、災害対策という点では、家屋での電力を確保するというよりも、テントや車で使える電力の確保の方がより効果的ではないかという考えも出てきます。

ここで考えなければならないのは、平時に商用電力で便利にチャージできる状況だけでなく、ポータブル電源が空っぽになってしまった時、どうやってそれをチャージするかということです。

テントならばソーラーパネル。車ならば走行充電も加えることができますが、災害時はガソリンや軽油の調達も困難になりますので、やはりソーラーパネルは欠かすことができません。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 災害?キャンプ? 何に(どこで)使うか

EENOUR社のF2000は、最大1000Wのソーラーパネルを接続することができます。

同社のソーラーパネルは100Wタイプを使用していますが、発電効率が非常によく、天気が良い日は80W以上で発電してくれます。
EENOUR社の現行モデルは最大400Wですが、単純に掲載しても320Wということになります。
1000Wきちんと繋げれば、2048WhのF2000も、2.5時間くらいで満充電できてしまう!?と期待してしまいます。

しかし、400Wのソーラーパネル一枚でも、3.03×0.8mというサイズ、畳にすると1.6枚分ありますので、その2.5倍の規模となると、かなりの場所を必要としますし、効果的に発電させようとすると、太陽の移動に合わせて向きを変えていかなければならず、容易でないことは想像に易いと思います。

災害時の備えとしてはあれば安心ですが、普段使いということを考えると、精々200W/400Wのパネルを一枚ということになります。

全国の平均日照時間は1,897時間だそうで、一日にすると5.2時間程度です。
MAXの発電量を多めに見て80%程度としても、160W/320Wということになりますので、832Wh/1664Whしか確保できないことになりますし、朝から晩までそれだけ発電してくれる訳ではないですし、太陽の向きや雲などによる影響も多々あります。



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太陽の位置という点では、このように角度を変えられるようにしなければ効率が落ちてしまう車載より、自由度が高いソーラーパネルの方が有利ですが、展開や撤収の手間があり保管場所も考えどころです。
常時車載していると結構邪魔になりますし、家で保管しておいて万が一家屋の倒壊や水没というようなことになれば使うことができません。

考え出すとキリがありませんし地域性もあります

私が拠点にしている信州の中信地区は、アルプスの山々に護られている感が強く、台風や強風による被害は極めて少ないです。
海無し県ですので津波の心配もありません。
一部地域は川の氾濫による影響を受けることもあり、カヤックでのダウンリバーでお世話になった終着点も、増水で流されてしまったマレットとゴルフ場跡地だったりしますが、会社や自宅の周辺はその心配がありません。
突き詰めていくと、一番怖いのは地震と土砂崩れです。
断水・停電・家屋の倒壊や埋没

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断水は雨水貯水で対策

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普段は時折温泉スタンドで購入して自宅温泉を楽しみつつ、万が一の時には湧水や綺麗な川からポンプで汲み上げで何とかなります。

燃料は幸いプロパンガス地域なので、それが使えればコンロで調理することができますし、キャンプのために備蓄しているホワイトガソリンやカセットガス、ケロシンコンロやランタンもありますので灯油も使えます。



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お風呂もガス給湯器なので、貯水や汲上水をお風呂へ移し、ポータブル電源で稼働させれば沸かすことができます。

キャンプや車中泊の装備も、そんな風に普段使いできることを意識しながら選んでいるのですが、普段使いしていれば不具合にも気付き易く、イザという時に使えなかったということも無いですし、消費量を何となくでも把握できているだけで、効果的な運用もできることでしょう。

残るは家屋に留まれなくなった時のこと

車が頼りになりますが、車中泊メインの仕様にした後も、テント泊に備えて小型のテントやタープは常時積載しています。
ポータブル電源は1000W/1800Whの物を積載し、ソーラーパネルはMAX250Wを発電してくれる物をルーフの上へ。
先ほどの数値を当てはめると、最大でも1300Whしか確保できませんので、容量が大きな物を積んでいればその分初期の余裕は出ますが、数日経てばあまりその差は出て来なくなってしまうので、1500Whクラスで良いやという考えに至り、それが今回F200など2000W/2000Whクラスではなく、1500W/1500WhクラスのEENOUR P1500に決めた理由の一つでもあります。

貯めるのは大変ですが、使う時はあっという間です。

主目的が
節電するため
万が一の災害時に家屋での使用する
生活に組み入れて日常使い
完全に防災用品として普段は待機
災害時に車やテントでの使用する
車中泊やキャンプで使用する

前回の何を使うのかで選んだ、最低限使いたい物で最大出力の見当がついたと思いますが、それと併せて目的に合わせて容量の見当をつけると、機種が徐々に絞られてきたのではないでしょうか?


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Posted by 電脳工房 at 12:00│Comments(0)EENOURP1500雑記帳
 
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