2023年12月06日

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 おさらい(単位など)

ややこしい数字や単位が続いたので、ここで一度おさらいをしてみます。

●mAhに決まった数字(セル電圧による)を掛けるとWhに変換できる

ポータブル電源の容量を比べるとき、WhとmAhが混在していて比較し難いことがあります。
このとき、Whに変換してしまえば計算が楽です。

私が使っているSUAOKI S270も当初、40540mAhという表記しかありませんでした。
S270は3.7Vのリチウムイオン系(表記はリチウムポリマー)なので0.0037を掛けます

40540(mAh)×0.0037=約150Wh

これで、他のポータブル電源との比較ができるようになりますし、何がどれだけの時間使えるかの目安を付けやすくなります。

リチウムイオンバッテリーのセルは3.7Vなので0.0037を掛けました(3.6Vの物もあるのでその場合が0.0036)が、最近主流のリン酸鉄リチウムは3.2Vですので0.0032を掛けます。

この辺りがややこしいのですが、だからこそWhで並べる必要があります。

同じ120000mAhでもリチウムイオンは444Wh、リン酸鉄リチウムは384Whとなります。

●一般的に行われるAC100(コンセント)での充電時間は、Whを定格入力で割ると計算できる。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 おさらい(単位など)

EENOUR P1500は1536Wh、上の表からACはMAXで700Wですので、1536(Wh)÷700=約2.19時間となります。」

実際には、充電効率があったり、チャージ終盤でパワーを落としてバッテリーを保護しますので、この数値は最短時間ということになります。

●使いたい家電の使用可能時間は容量を定格で割れば計算できる

今回私が購入したEENOUR P1500は1536Wh、変換効率というものがあるのですが、このクラスのポータブル電源は80%前後で見ていることが多いので1229Whとして考えると

1300Wのドライヤーや湯沸器は1229(Wh)÷1300=約0.95時間(約57分)です。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 おさらい(単位など)

これはEENOUR P1500の製品紹介ページからの抜粋ですが、概ね80%で計算しているようです。

●W(ワット)/ V(ボルト)/A(アンペア)の関係

W=V×A あるいは V×A=W

を覚えてください

使おうとしているAC100のテーブルタップの定格が15Aならば、100(V)×15(A)=1500(W)という計算です。
100V/1200Wという記載があれば、1200(W)÷100(V)=12(A)です。



こうして、単位をきちんと把握することで、ポータブル電源の正しいスペックを把握し易くなります。

最近、ブラックフライデーと投稿に際しての確認が重なり、私のfecebooやinstagramにポータブル電源の宣伝がしきりに出てくるのですが、結構気になる表現を目にすることがあります。

ECOFLOW社のX-Boostを例に挙げ、格好良い名称は良いけれどどういう動作をするものなのか、きちんと説明をして欲しいという類の発言をしましたが、これらも同様のことですが中には滅茶苦茶な物もあります。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 おさらい(単位など)

ポータブル電源に限らず、リチウムイオン系のバッテリーは、急速に充電したのち最後の最後はパワーを抑えて時間を掛けて充電し、バッテリーへのインパクトを低減させたり事故を防ぐなどしています。
ですので、80%までの充電というのは美味しいところだけ取り上げているといっても過言ではありません。
そして、このポータブル電源のスペックを見てみると、ACからの入力は最大2200Wとなっています。
何度か書いていますが、国内のコンセントや延長コードの類は、100V/15Aあるいは125V/15Aという規格の物が多く、一般的には1500W以内で運用するようにと注意書きがあったりします。
1時間とはいえ、それを超えて2200Wを流し続けるのは、車をレッドゾーンで走らせ続けるようなもので決して良い訳はありません。

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 おさらい(単位など)

最近、ANKER社もポータブル電源の分野へ参入してきました。

妻はANKER信者ですし、私も結構好きなブランドで、製品的には安心して使えるものと思っています。

しかし、世界最速という言葉はちょっといただけません。

1500Wモデルですから私が今回購入したP1500と最高出力は一緒です。
しかし容量は、P1500の1536Whに対して1056Wh、2/3しか無いのですから早くて当たり前です。
P1500はAC100が700Wしかありませんから、1300Wでのチャージは非常に速いといえますが、2000Whクラスでしたら著名なメーカーのほとんどは1500Wでチャージしますしので、世界最速という表現は少し誇大ではないでしょうか?

販売戦略として業界的には常套手段なのかもしれませんが、国内のコンセントは1500Wですから、AC100でチャージする限り、それを超えることはありません。
強いて言うならば、前記のようなチャージの最終段階でのパワーを、より緻密に制御して時短できるといった程度でしょうか。

今一度書きますが、ポータブル電源をAC100で充電する際の最短所要時間は、Wh(バッテリー容量)をAC100入力のMAX値で割った数字です。

スペックをきちんと把握し、数字や謳い文句に惑わされず、期待通りの製品を入手されることを願っています。
念のため申し添えますが、ECOFLOW社やAnker社など著名なメーカーは、販売台数やブランドの歴史に支えられた信頼性もあり、以前書きました通り最初に使ったのがそれらのメーカーの商品でしたら、今頃そのポータブル電源を絶賛しているかもしれませんし、他ブランドの製品も非常に興味がありますので、あくまでも表現上のこととして受け止めていただけると幸いです。










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Posted by 電脳工房 at 07:00│Comments(0)EENOURP1500雑記帳
 
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