2023年11月29日

ポータブル電源解説 EENOUR P1500 最大出力の選択


EENOUR社のポータブル電源P1500を購入しました。

2023年の春先にリリースされたモデルなので、youtubeやブログでは色々紹介されていますが、案件や広告収入をアテにした通り一遍の説明が多く感じられたので、何時もの如く実用してのレポートを順にお届けしたいと思っています。

それに先立ち、機種が増えて益々選びにくくなってしまった感があるポータブル電源の、基礎的な部分に触れてみたいと思います。

バイクの教習所でCB400に乗ると、何となくHONDA寄りになりがちだったり、日本で最初に販売されたことから、マーキングフィルムの総称としてカッティングシートという中川ケミカルの商品名が通称となっているように、「最初に気に入った」「最初に触れた」ブランドというのは贔屓にしがちで、ポータブル電源もJACKERY社やECOFLOW社は先行ブランドの強みや効果的な宣伝で大きなシェアを手に入れています。

特にEcoFlow社のX-Boost機能は、600W機のポータブル電源で1,300Wのドライヤーや湯沸器が使えるといった類の謳い文句で、まるで魔法の道具のような印象を与え、Bluetti社の電力リフトやUGREEN社のU-Turboといった後続の同等機能搭載機種を抑えて人気を博しています。

もちろん、他の機能やデザイン的な面も、ユーザーの心を掴んだのでしょうけれど。

今までも何度か触れてきましたが、この機能は簡単に言えば自動調光器で、湯沸器から1,300Wの要求があった時に瞬時にそれを判断し、調光機能で600Wにダウンさせて供給し、使えるようにするというものです。

あっという間に直ぐに沸くはずの湯沸器が、旧来のモデル程度の能力で倍の時間を掛けて沸かすことになります。

また、モーターや電熱などを使った単純な器具でしたら使えますが、マイコンで制御されている物などは器具側で異常だと認識したり、機能そのものが要求電力が足りずに動作しないという事も多々あり、この辺りは市販のサイリスタやトライアックを使った調光器でも同様です。

本来は使えない物が使えるというのは有り難い機能なのですが、700Wを1,300Wに引き上げる機能では無く、能力をダウンさせて使えるようにしているので、発売当初にこの機能が搭載されているのを知った時、誠実にその辺りを説明すべきだと違和感を感じました。
今でこそ、その仕組みを御存知の方も増えましたが、細かい説明を何となく回避していたことで、まるで魔法の道具のような印象を(一部の)ユーザーに与え、シェアを伸ばしたと言っても過言ではありません。

決して嘘偽りがある訳ではないので、率直に言うと「上手く売ったなぁ」という感じで、技術面もさることながら、営業サイドのテクニックに感心するばかりです。

EENOUR社のEB120やEB180で、必要な時にはトライアック調光器を使って1,000W以下に調整して使っているので、好意的な言い方をすれば自動でそれをやってくれれば楽で便利ですし、そうでなければ、そういう器具を使う機会はさして無いので、リーズナブルな調光器で十分ですし、故障リスクやコストを考えると外付けでも良いと言えます。

各社それぞれ工夫を凝らし、デザインや機能に力を入れているので、長所・短所もあれば個性もあり、現在は選り取り見取りという感じで迷われる方も多いと思いますが、正直なところ、選んだ物はどれも便利に使える(それの仕様に合わせて使うようになる)というのはほぼ間違い無いですし、ならば迷わず予算が許す範囲で入手して便利を手に入れましょう。そんな風に考えます。

私はSUAOKIからスタートしましたが、もう少し容量とスタミナがある物をと思いEB120を購入したのですが、シンプルながらも使いやすい、もとい、シンプルで単機能だからこそ使い易くタフに働いてくれるそれが気に入り、間もなく発電機を購入してこれまた気に入り、その後EENOURブランドで埋め尽くされていったという感じなのですが、最初に購入したのがECOFLOW社やJackery社の製品ならば、それらの製品を称賛していたかもしれません。

ですので、ポータブル電源に限っていえば、ブランドイメージだけでなく

信頼:タフでアフターがしっかりしている
用途:大は小を兼ねない
環境:充電や使用する環境を見渡してみる

といった辺りも、考えを及ばせると見えていなかった所も見えてくると思います。

信頼性はユーザーレビュー等にお任せすることにして

先ずは用途について

先日、信州焚火会で温泉と焚き火三昧の贅沢な遊びをしてきました。


寒い季節のキャンプが不慣れなお母さんとお嬢さんはテント泊

軽バンの方は暖かい静岡県からゲスト参加


日中の気温も一桁で、最低気温3℃の温泉&焚き火が楽しい陽気になりました。

寒さ対策で電気式毛布を持って来ていただき、SUAOKIのS270という極めて小型のモータブル電源を貸し出しました。

MAXで使うと朝まで持たないので、目盛り3/4程度でお使いくださいといってお渡ししたのですが、朝起きたら揃って暑いくらいでした!と、快適に過ごされた様子。

ポータブル電源の残量も1/4程度あり、十二分に役目を果たしてくれました。

S270のスペック
AC100 100W×2口 ※2口合計150Wまで
40,540mAh

mAhとWhが混在して解りにくいのですが、mAh×0.0037でWhに変換することができます。
40,540(mAh)×0.037=約150Whです
単純計算ですが150Whというのは、100Wの電球を1.5時間光らせることができ、1,500Whでしたら15時間ということになります。

一般的な電気式毛布は40~55W程度の物が多く、例えば40Wですと150÷40=3.75時間しか使えないことになります。
ゲージを3/4程度に下げても精々5時間というところでしょう。
しかし実際は、ずっと定格で運転し続けるのではなく、温度を調整しながら間欠運転をしますので、朝までぽかぽか過ごせるという訳です。

温度センサーはコントローラーに内蔵されている事が多いので、そのコントローラーをシュラフや布団の外へゴロ出しにしておくか、中へ入れるのかによっても制御が変わってきますので、アテが外れないよう試用したのと同じ状況で使用する必要があります。

また、間欠運転をしますので、使用電力が0になる時間があります。
ポータブル電源によっては、一定時間電力消費が無いと、省エネのために自動的にOFFにしてしまう物があったり、その時間を設定できる物もありますので、レビュー参考に相性を確かめたり、ポータブル電源の仕様を確かめれば万全です。

このように、300Wh程度までの小型のポータブル電源でも、寒い季節のキャンプや車中泊での、電気毛布使用使用は十分事足ります。

スマホなどの充電もという事であれば700Wh前後の中型があれば安心です。
ドライヤーもくるくるドライヤーの類でしたら650~700Wの物がほとんどですので、このクラスでしたら使うことができます。

電子レンジや湯沸器をというニーズがあれば、1500W以上のモデルをお勧めします。
我が家は1,000WのEB120/EB180をメインで使っていますが、1,300W必要なドライヤーや湯沸器はトライアック調光器で1,000W以内に調整したり、定格内の物を使用し、電子レンジはあれこれ試してMAXの600Wではなく500Wの中温にセットし、なおかつポータブル電源を長野県の60Hzではなく50Hzにセットしてギリギリ使えています。
ギリギリというのは、短時間1,060Wくらいになるのですが、2分までは定格を超えて使える機種なので、その間に定格内に納まって連続稼働させられるという状況です。
機種によっては60Hzの高温でも普通に使える物があるそうなのですが、4機種試して唯一使えた物がこのような状況でした。

何も気にせず使いたいならば1,500W以上をお勧めします。

それらが必ずしも必要かといえばそうでも無く、車中泊の際は食事を済ませて就寝だとか、コンビニを上手に使うなどすればそれで済んでしまいますし、300Wや700Wの軽量・コンパクトなモデルは、大型機に無い便利さでもあります。

また、出力が大きくなればなるほど、インバーターなど本体を稼働させるための消費電力も大きくなりますので、容量が大きくなったからといって、期待した時間通りに使えるという訳でもありません。

後述しますが、運用環境によっても選択肢は変わってきます。

先ずは

最低限使いたい物
使えたら便利な物
折角購入するのだから使えたら嬉しい物

に分類し、それぞれの定格(消費電力)をチェックしてみましょう。

家電は日進月歩ですので、ポータブル電源の出力と睨み合わせながら、買い替えを検討するのも良いかもしれません。
ポータブル電源での使用を大前提で考えるならば、DC12Vで使用できる物を選ぶと、ポータブル電源内部のDCからAC100へ変換するインバーターを使用しない分消費電力が少なくなります。

ただし、一般的なポータブル電源は、12V/10A(120W)が多いので、それに適合するかどうかも重要です。
車のシガーソケットやバッテリー直ならば使えるけれど、ポータブル電源のシガーソケットでは使えないということもあります。

実際にSUAOKIのS270は

DC12V 9-12V/10A(120W) MAX15A(180W)

でDC12Vは小型なのに頑張った数字。


EB120/180でエラー停止してしまい、AC-DCアダプターを使わなければならなかったFFヒーターも、何ら問題無く動作してしまいました。

言い換えれば、小型のポータブル電源で使えるのに、大型のポータブル電源で使えない物もあり、それが精々150Wくらいの物で、AC100に比べてDC12Vはかなり貧弱だということです。

つづく  

Posted by 電脳工房 at 18:00Comments(0)EENOURP1500

2023年11月29日

使い捨てカイロより13倍暖かいはなし (2)


さて、ここからが本題です。


電熱ベストの話題でも触れましたが、首筋や背中を温めると効果的に暖を感じることができます。

ところが、布団やシュラフで就寝する時は、靴や靴下を脱いでしまうので、足元が寒くて寝られないとか目が覚めてしまうということがあります。
私と妻は、靴下を履いて寝るとどうにも心地が悪くて目が覚めてしまうので、足元の暖は対策必須です。


根っからのキャンパーなので冬場は焚き火を欠かすことが無く、焚いた炎は暖を取ったり、眺めたり弄ったりして楽しむだけでなく、調理に使ったり、トライポッドへ大型のケトルを下げておき、沸いたお湯で暖かい飲み物を作り、最後は湯たんぽへというのが常、余すことなく活用していました。

先日の温泉&焚き火キャンプでも、そんな調子で湯たんぽを活用したのですが、スタイル変更で車中泊ベースにし、RVパークなどの利用が増えることを考えると、焚き火でお湯を作ることが困難になるのは目に見えています。

電気ポットを使えば何とかなりますが、お湯を沸かすのには思いのほかエネルギーを要するので、水で割るので半量としても、(湯たんぽ二個で)5L近くを沸かすとなるとポータブル電源の負担も並大抵ではありません。

湯たんぽのためだけに電源サイトにして、500円とか1,000円とかを払うのか?とか、そんなのちっともエコじゃないぞ!とか、そもそも車中泊やキャンプの装備って、万が一災害に見舞われインフラが乱れた時のことを意識しているのに、電源サイトって違うじゃないかとか、諸々考えた末に辿り着いたのが、やはりベンジンを使うタイプのカイロでした。

インスタントカイロを貼れば良いのでしょうけれど、一個二個では到底足りるとは思えないですしゴミ問題がついてまわります。

インスタントカイロも使用後に脱臭や除湿として使ったり、環境配慮型(塩化ナトリウムではなく塩化カリウムを使用)の製品は土に撒くと土壌改良になるなど、二次利用もできるそうですけれど、パッケージのビニール袋を開ける度、ちょっとした罪悪感のようなものを感じていました。


善は急げで購入したのがこれ
昔からあるハクキンカイロです

これまで記事にした通り、ベンジンを使うタイプのカイロは、バーナー(触媒)の仕様変更や入手できなくなったことが原因でお蔵入りしてしまったのですが、ハクキンカイロは長い歴史があり、他の製品よりはずっと安心&長く使えることでしょう。

今年100周年だそうです


サイズは大きく分けて3種類
STANDARD(24時間)/PEACOCK GIANT(30時間)/mini(18時間)
ジャイアントとかminiだとかいっても、それほど大きな差はありません。

私は昔ながらのSTANDARDを選びました


24時間タイプといっても、インスタントカイロのように固定ではなく、入れるベンジンの量によって変えることができます。

バーナー部を外し、付属のカップを取り付けてベンジンを入れるのですが、1カップで12時間、MAXの2カップ入れると24時間という案配です。


最初は浸みこみが悪いのでゆっくり入れないと溢れがちですが、数回使用するとすっと入っていくようになります。

説明書には入れ終わったら逆さにし、カイロの中央部を数回押して余分なベンジンを出すと書かれています。

2カップ(満タン)にしなければさほど必要ではないと思いますが、ヘビーユースしている時に何となくベンジンが残っているかな?という状態でこれを怠り、ズボンの前ポケットへ逆さに入れて作業をしていたら、太ももの付け根にベンジンが染み出してただれてしまったことがあります。

使い切ったり所定の作業をすれば良いのですが、面倒くさがっての入れ過ぎは要注意です。

あとはバーナーを戻し、ライターの炎でバーナーを数秒温めるだけ。
触媒による反応なので炎が上がることはありません。
直後からどんどん暖かくなっていき、ピークの暖かさに達すると揉んだりしなくても(笑)ずっとその暖かさをキープしてくれます。

メーカーはインスタントカイロの13倍暖かいと公示していますが、本当にその位の熱量を感じることができますし、それ以上に長時間安定した暖かさというのがベンジンタイプの大きなメリットです。

ベンジンは原油から抽出しますので、化石燃料を消費するという点では考えものかもしれませんが、ここ数日暖かいということもあり、ファンヒーターを使わずカップ一杯のベンジンで過ごしています。

カップ一杯で12.5cc、ファンヒーターよりずっと燃料の節約になっていますし、500ccのベンジンが実売800円程度ですから一日あたり40円、とてもリーズナブルです。

思い起こせば3.11の直後、東北の方たちが寒い思いをしていることを考えたとき、目の前で焚いているファンヒーターが凄く申し訳ないような気持ちになり、その日から使うのを止めました。
信州は使いに比べると秋は一ヶ月早く、春は一ヶ月遅くやってくる感じで、電脳工房周辺では桜の見ごろが4月の中旬、小高い所へ行くとGWに桜吹雪という感じで、まだまだ寒い日がある時期です。

どうしても寒さが厳しい時は夕方頃からベンジンタイプのカイロを使い、夜はそのまま布団の中へ放り込んで就寝、起きる頃空になっているなんて使い方をしていたことを思い出しました。

さすがに翌年からはやっていませんが、輪番停電や節電要請に応え、電気の消費を控えめにしていたのに、今ではすっかり元に戻ってしったどころか、折角LEDが主流になったというのに、時折クリスマスイルミネーションを紹介する際、LEDで消費電力が少なくなったので、以前の〇倍電球を増やせましたなんてことをニコニコしながら伝えているのを見たりすると、日本のこの先を憂いてしまいます。

阿寺渓谷入口や高ボッチへ向かう途中のメガソーラーを見た時、得も言われぬ気持になりましたし、景観や環境を全く配慮せず増えていくメガソーラーは断じて反対ですが、屋根上発電や日進月歩の蓄電技術を出来るだけ活用し、万が一の災害への備えと併せ、エネルギーの節約を考えていけたら良いですね。

太陽光パネルやリチウム電池の廃棄も大きな問題を抱えていますが、それらにも注目しながら。

最後になりますが、こちらは 「ハクキンカイロ 非公式ファンサイト」 です。

どの位昔からか記憶にありませんが、記憶になくなるほどずっと前からあり、諸々検証されています。
興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。
推奨燃料以外の物を使って(使い続けて検証している)レポートされていて、中にはアウトドアマンにはお馴染みのColemanのホワイトガソリンなんかもあります。

私が試したことで、ここの投稿に無いものといえば、日立方式でバーナーを外せば中断できるのですが、そのままではベンジンが揮発してしまうので、バーナーが冷えるのを待ち、ラップを挟んで軽く装着しておくということくらいでしょうか。

ラップの素材はポリ塩化ビニリデン(PVDC)ですが、華陽物産さんの資料では〇印になっていますので、素材的には大丈夫だと思いますし、破れさえ気を付ければきちんと中断できています。  

Posted by 電脳工房 at 07:00Comments(0)雑記帳